六星のお餅の特徴は?
これぞ加賀百万石!
最初は食文化の違いに、本当に驚かされた。
六星の餅づくりの第一の特徴は、お餅に軽く塩味がついていること。県外出身の僕は最初はかなり驚きましたが、石川県ではこれが当たり前。むしろ、「塩が入っていなければ餅じゃない!」というくらい、こだわりの部分なんですよね。時々やはり、県外のお客様から塩味がするけど大丈夫かとご連絡をいただいたり、塩を抜いて作って欲しいというご要望をいただくことがあります。それでも、これだけはどうしても変えられない部分なんです。なぜなら、塩が入っていなければ、他のメーカーと変わらない個性のないお餅になってしまうから。そこは石川の郷土のお餅として、県外の方にもご理解いただけると有り難いですね。
2つ目の特徴は、紅白の鏡餅です。最近では県外の方でも余り抵抗がないようで、むしろ、「紅白で可愛らしい」「おめでたい感じがいい」と、食文化の違いに関係なく、紅白のものをよくご注文いただいています。紅のお餅は、天然由来の紅花色素で着色したピンク色、白のお餅は、北陸の雪を思わせる白さで、紅白のお餅を重ねると、確かに華やかでおめでたさが増すようです。「加賀百万石」と呼ばれる石川県らしい食文化と言えますが、同じ日本でありながらこうも違いがあるのかと、最初は本当に驚きました。


石川の人が大切にする食文化の一つだからこそ、
丹精こめて作る喜びは大きい。
3つ目の特徴は、原材料に自社栽培の餅米「白山もち」を使用していることです。これは、他との最大の違いであり、六星のお餅の一番の魅力の部分でもあると思います。すべすべのもち肌で、食べるとコシが強い六星のお餅は、「白山もち」でなければ作れません。ただ、100%自社栽培の餅米だけで加工しているので、気候の影響など、お米のちょっとした変化がそのまま、お餅に出てしまうこともあります。これについては、いくら調整しても、調整しきれない部分があるのも事実です。そして驚くのは、そうしたちょっとした変化を、地元の人は敏感に感じ取られるということです。
石川県では、お正月の鏡餅はもちろん、初誕生祝いや結婚祝いなど、お祝いの日にお餅は欠かせないものです。お餅を食べ慣れていて、お餅という食文化をすごく大切にする土地柄。そうした大切なものだからこそ、自分たちも心を込めて作りますし、食べていただければそれだけ喜びも大きいですね。