第5回 継承 〜これからの六星〜

変えたくないから、変えてゆく

北村 歩 昭和17年生まれ

北村「農業はずっと続けていくことが何より大切なこと。その為には会社にした方が続けやすいと思って今まで取り組んできたし、株式会社化したのも自然な流れやったんやろうな。」

次はいったい誰がやるのか?
日本の農業が直面している大きな課題です。私たちの日々の食事を支えている農業者の平均年齢は約65歳。六星がある石川県白山市(旧松任市)も例外ではありません。4人の創業者はそうした農業を続けることが難しい社会情勢をずっと見てきました。一方で、自分達は地域の方々から農地の委託を受け、その面積は年々大きくなってきました。そして、大きくなった耕作面積は、六星にとって土地を耕作し続けることへの責任の大きさに代わっていきました。
だからこそ、世代交代をスムーズに行ない、これからもこの地域で農業を続けていくことを何より大事にしてきた4人。株式会社にしたのも農業を継承するための一つの方法だと言います。農業を続けていくことを変えたくないから、仕組みややり方を変えていく。六星はこの手法で農業を続けてきた会社です。


中村 武志 昭和19年生まれ

中村「ワシは、田んぼからは一生離れたくない。田んぼにしがみついて生きていきたいから、次の世代が中心となって米を作ってくれれば、ワシもずっと参加できると思って。」
竹多「一線は退いたけど、始めた者の責任はあると今でも思っとるよ。だから若い連中の様子も見に行くしな。」

平成19年3月。創業者4名は第一線から一歩引いて、県外出身の新しい経営陣に手綱を渡しました。新しい六星がスタートして、それでも今までと変わらず田植えを始めた春のことでした。

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